地位が高い、人脈が広い、カネがある。
これらは、一般的には社会的な信用度が高いことを示す特性だ。しかし、反社チェックやコンプライアンス実務の世界では「真逆」の評価、すなわち要警戒対象となる。
3拍子がそろった人物は、反社会的勢力が近づいてくるリスクが高く「PEPS」(*)というカテゴリーに属す。
*PEPS
Politically Exposed Persons の略で、正確には政治的な影響力の高い公的な重要人物を指すが、筆者は、民間人であっても経営者、芸能人、著名人などの有力者・成功者も含めて反社会的勢力の介入を受けやすい対象として注意している。
一般の企業信用調査ではPEPsは「支払能力」が高そうな人物として評価の上では肯定的に捉えられる。
しかし、反社会的勢力の関与リスクを見極める調査やマネーロンダリング対策の分野ではリスクが高いと見る。
なぜなら、
その人物(PEPS)自体の素性や性格に問題がなくても、反社会的勢力の側から権力・人脈・カネを悪用しようと接近してくるのだ。
ガードが甘いと反社会的勢力に取り込まれ利用される。
相手のことをよく知らずに付き合い始める。その後、接待攻勢などを受け抜き差しならない関係になる。だんだん相手の素性が分かってくる。これはマズいと内心では思っても、もう引き返せない。付き合いを恐る恐る続けるしかない。
他方、PEPs自身の素性にも気を付けたい。特に収賄、脱税、マネー・ロンダリングだ。汚職政治家・汚職官僚(kleptocrat)ではないかどうか。
相手が「お偉いさん」だからといって直ちに信用しては駄目なのだ。
H.Izumi
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