反社チェックの検索ワード 漫然と選んでませんか?

その姿勢では社内で信用を失い、AIに代替されます




反社チェックにおけるキーワードの選定が、あまりにも漫然と行われているケースが目につく。

 

いや「選定」というレベルには至っておらず、

 

外部のデータベース会社が初期設定したワードをそのまま、何も考えずに漫然と使用しているのだ。

 

 

ような姿勢では、その仕事ぶりにおいて、まず社内で信用を失う。気を付けたほうが良い。

 

 

なぜなら、反社チェックのキーワード選定は、

 

自社が何をもって「反社」と考えるかを

 

落とし込む非常に重要なプロセスだからだ。

 

自社は、どのような取引先を排除すべきなのか。

 

「暴力団や詐欺集団などは当然として、

 

 社会秩序や環境を破壊するような輩も取引から排除していこう」

 

こういった思考・検討プロセスを経て、一つ一つの検索キーワードを選んでいく。

 

なぜこのワードが自社にとって反社会的なのか、排除すべき性質なのか。

 

これを審査パーソン(コンプライアンス担当者)は、しっかりと腹に落とし込んで、

 

他人に説明できなければならない。それが仕事だ。

 

 

場面を思い浮かべてほしい。

 

営業は予算に追われる過酷な仕事だ。

 

せっかく取ってきた仕事の相手先を社内のルールに従って反社チェックにかけたとしよう。

 

すると「●●違反」というネガティブワードで記事検索にひっかかったとする。

 

管理部門が、その旨を伝え営業に懸念を示す。

 

 

営業は必死に言うだろう。

 

「なんで●●違反が反社なんだ。他にもやってる大手企業もあるだろう」

 

「これが何で反社なの?おまえ、説明しろ!ケチをつけるな。こっちは必死に取ってきたんだよ!」

 

こういう激烈な社内クレームに対して、

 

「い、いや、外部の業者が初期設定したワードなので。だいたいの会社でこのワードは使用されていますよ」

 

こんな機械のような説明で「自分自身」が納得する審査パーソンがいたら、それは「アウト」だ。

 

おそらくAIで代替されるだろう。営業からは「あいつは何も考えていない」とみられる。

 

 

ちなみに、上記の場面例で営業への適切な説明の仕方はいくつかあるが、

 

最近おすすめしているのが、

 

基本中の基本だが、実務上定式化している「反社の定義」(政府指針)なのだ。

 

 

これは弊社の研修や勉強会セミナー等でお話をしている。

 

 

私自身は、調査やチェックの方法論などよりも、

 

リスクに立ち向かう基本姿勢や物事の考え方こそが重要だと思っている。

 

セミナー等では、この部分を強調して話している。

 

 

 

道具の進化はもちろん重要だ。

 

大量の検索キーワードを一度に設定できるから、一語一語の意味を考えなくてもよい技術環境になっている。

 

業者も、統計的な実績値やノウハウに基づいて合理的にワードを選んでいるのかもしれない。

 

だから、そのままのワードを漫然と受け入れて使ったとしても、結果的にマイナスになるものではなく、

 

むしろ大いにチェックの強化につながることかもしれない。

 

しかし、そいう環境にあっても、自社・自分としてどうあるべきなのかを生の人間として

 

きちんと考えていくことが、審査パーソンがAIに代替されずに生き延びていく術だと思う。

 

 

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