危機時に真価が問われる与信限度額と与信申請書

「無能な与信限度額」が露呈していませんか?



 ■危機時に真価が問われる「与信限度額」

 

何事も危機時こそ真価や実力が露呈するものかもしれない。

 

与信管理も然り。

 

「お手軽な方法で根拠のない与信限度額」を設定している会社は、

 

倒産が頻発する危機時において、

 

その与信限度額がいかに役に立たないか痛感するはずである。

 

たとえば、相手の会社の財務内容から、自社の与信限度額を

 

機械的に設定するような邪道なやり方を採用している会社は、

 

得意先からサイトの延長を求めらることが頻発する「危機時」においては、

 

何をどうしていいのかわからず、アタフタするだけだろう。

 

 

営業パーソンがマトモな与信申請書を作成したことがなく、

 

正統な与信管理(与信限度)がわかっていないと

 

現場でマトモな対応と判断ができない。

 

相手からの延長要請があった場合、

 

どのように対応すべきか考える「フレームワーク」が養われていないからだ。

 

 

一方、普段から正統な与信申請書で稟議をしていれば、

 

販売先からの支払延期要請に応じた場合の自社への影響を把握でき、

 

対応を検討できるはずである。

 

 

倒産の少ない「平時」では、

 

どんな与信管理をしていても問題とならない。

 

しかし、危機時には、ダメな与信管理が露呈する。

 

 

会社の根幹業務である「与信限度の運用」を軽視していは、

 

営業パーソンは育たないし、危機時に対応できない。

 

 

多くの会社は正統的な与信管理を実践していると思われる。

 

しかし、そうでなければ非常事態が落ち着いた後に

 

今一度、与信管理と与信管理教育を見直してはどうか。

 

 

 

■与信限度額の申請書、以下を盛り込んでいますか?

 

(1)商流と物流

 

  ・何処からモノを仕入、何処に販売するか(販売先の販売先等も)。

 

  ・モノの流通に際し、どこの運送業者や倉庫を起用するか。

 

  連鎖倒産のリスク、サプライチェーンのリスクを把握するという意味のほか、

 

  モノの流通であれば、動産売買先取特権など保全の観点からも確認必須事項である。

 

  また、反社会的な仕入先と販売先が結託して詐欺を働く可能性もある。

  

  両者の関係性も調べるのも与信管理である →アブナイ介入取引

 

     なお、起用する運送業者や倉庫にも与信限度(寄託限度)を設定するのが正統である。

 

(2)仕入先と販売先との支払・回収条件=当該取引の所要運転資金を把握

 

  ・これが記載されていないと、与信限度額の申請額が算出されないはずである

 

   (正統な与信限度額の運用をしている場合)

 

  ・受注(見込)から納品、代金回収までの概算リードタイムを算出する。

 

   その妥当性を検証(稟議)することで不正取引の検出にも役立つ。

 

  ・リードタイムから当該取引の資金負担が概算される。

 

  ・概算の資金負担が分かっていないと、支払延期に対する検討すらできない。

 

  ・追加資金負担と自社の財務状況や資金繰りを照合することで、

 

   支払い延期要請に応じるかの検討材料とする。

 

 

■機能する与信限度額と無能な与信限度額

 

  ・このようにサイト(時間概念)をベースに与信限度額を設定しないと、

 

   「支払遅延」(時間概念)という異常事態を検知できない。

 

   想定のサイトをベースに限度を設定していれば、

 

   仕入~代金回収までのいずれかで遅延が発生した場合には、超過=異常事態として検知できる。

 

  ・他方、相手の財務状況から与信限度額を機械的に設定するような「邪道与信管理」では

 

   遅延リスク(時間概念)を反映していないから、危機時にさえ何らの異常事態を検知しない可能性がある。

 

   まさに無用の長物。危機時に仕事をしない与信限度額は無能であり、それなら無い方がよい。

  

   それ以外にも、与信限度額の不正検知機能を反映できないという重大な欠陥がある。 

 

 (上記は、モノを継続的取引する会社(BtoB)を想定した内容です) 

 

■与信限度額については、以下コラムもご参照。

 

 ・俗説の与信限度額を斬る!

 ・与信限度額の基本的な考え方

 ・回収サイトの計算

 

アクティブ株式会社 泉