非常事態下のオシント調査の活用


与信管理には「鉄則」がある。

 

それは取引を担当する営業パーソン等が、必ず取引相手(候補)の拠点に赴き、しかるべき人物と面談することである(現地現認)。

 

これは詐欺会社や反社フロント会社との取引を回避するための必須の基本行動である。

 

しかし、例えば街中にウィルスが蔓延しているような非常事態でも、この鉄則を守るべきであろうか。

 

感染リスクが増大している街中、自社の営業パーソンを人混みの中で歩かせ、電車に乗らせ、もしかしたら感染しているかもしれない面談相手と1~2時間、密接に商談させる。

 

訪問される側も恐ろしいだろう。

 

このような非常事態下で、知らない会社から新規の引き合い・問い合わせが来た場合、与信管理の「鉄則」を遵守させ、相手先拠点への現地確認(訪問・面談)を自社営業パーソンに強いるのか、否か?

 

答えは明らかである。

 

人の健康・命に勝るものはないから現地確認は手控えるべきである。

 

あたりまえだ。

 

たしかに、詐欺会社に騙されたり、反社フロント会社と取引してしまうことも、回避しなければならない重大なリスクだ。

 

しかし街中にウィルス感染のリスクがある中、自社営業パーソン(およびその家族)の健康をリスクに晒してまで「現地現認」の鉄則を貫く必然性はない。そんなことすれば自社が従業員の健康を無視するブラック会社と言われかねず、これも下手をすれば自社の倒産を招く。

 

営業活動がこのように制約を受ける中、危惧されるのは、取り込み詐欺会社等の活動が活発化することである。

 

「いまなら与信管理の鉄則が遵守されない。現地確認無しの甘い取引審査で取引OKになるぞ。電話をかけまくろう。パクリまくろう」と接近してくることが危惧される。

 

どうすればよいか。

 

対応のひとつは「取引を断る」ことだ。あるいは(いつになるかはわからないが)非常事態が終息するまでペンディングにしておく。

 

もうひとつは進められることだけでも「取引に向けた動き」を取ることだ。

 

ただし、 自社営業パーソンによる現地確認が困難な状況の中では、信用調査・反社チェックの両輪のもう一つである「オシント調査(OSINT)」の比重を高めるしかない。

 

公知公簿情報を徹底的に調べる「オシント調査」は、背後周辺に潜むリスクをあぶりだす。

 

相手に訪問し面談するより重大なリスクをあぶり出すことができることもある。いままで「オシント」に無縁だった企業もBCPの観点から着目してみてはどうか?

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